サクレ・クール聖堂とミサンガ売り
サクレ・クール聖堂。
まさかこの写真をとった直後に絡まれるとは…
左の木の下あたりに、ちらりと見える。
映画『アメリ』や『ムーラン・ルージュ』の舞台となっているせいか、日本人観光客が訪れやすいモンマルトル。バカな私は高いところが好きなので、パリを一望できるサクレ・クール聖堂へなんとなく行ってみた。
サクレ・クール聖堂は小丘の上にあり、そこまで階段やスロープが連なっている。一番手前はメリーゴーラウンドやキオスクの小さな広場があり、左右のスロープから登っていく必要があった。
道に迷った末、ようやく着いた聖堂。「さぁ登りますか」、と広場へ入ろうとした時、嫌な予感がした。
その左右スロープ前にそれぞれ5人ぐらいのネグロイドなグループが、明らかに待ち構えている。
「絶対、絡まれる」と思いつつも、「でも待て。黒人だからって勝手な先入観で…」と頭で巡らせる私。以前、ディスカバリーチャンネルで人間は本能で危険を察知し逃げようとしても、理性がそれを邪魔するという内容を思い出した。
そして理性を信じた私がバカだった。
彼らの一人が私に近づいてきて、「ここを入るならミサンガを着けろ」とミサンガ(といってもちょっと前に日本で流行ったそれとは異なり、細っそい糸)を指に巻こうとしてくる。
Noを繰り返す私に「ここの伝統だから」と意味の分からない説明をするネグロイド。
そこへまた理性が顔をだす。
「確かにサクレ・クール聖堂ではそれがマナーなのかもしれない。むしろ冷やかし半分で来たアジア人旅行者が、現地人の宗教文化を否定することになるのでは……」といらんことを考えだす。
ネグロイドのススメを拒絶するモンゴロイドの二人に、他の仲間たち4人が気づく。
「やばい取り囲まれる…」、そう思ったモンゴロイドの私はネグロイドを突破しようとした。
すると彼が私の腕をつかむではないか。
つかむといっても明らかに逃がさない様な掴まれ方だ。
おいおい、これはまずい。
振り解こうとしている所に、4人も到着。
身動きの取れない私を、他の男がミサンガを指に巻きつけてくる。
せめてもの抵抗にミサンガに指が絡まぬよう、華麗な指テクで紐を交わす。
それでも掛けてこようとする彼らに、私は両手で拳を創った。
えぇいままよ、とひたすら拒否の意を告げながら、ミサンガを避けていると、
ついにOK!OK!と諦めていった。
胸をなでおろす私の元へ、母がやってくる。
「よかったね、前の人はショール引っ張られて首しまってたよぉ」と報告する母。
母よ、私がネグロイドに捕まった瞬間に気配を消して見ていたのか!!
ネットで調べてみると、フランス・ツーリズム旅行情報局で同様の被害報告がありました。
ミサンガ売りやそれに乗じたスリなどが多発しているようです。
蛇足ですが昼過ぎあたりには、土産屋が並ぶ坂道にイカサマ賭博もやっているHOTな場所でした。
こんな感じで賭博行為をしているおっさんと観光客
裏返った丸い札の色(白・黒)をあてるもの。
日本人観光客が捕まっていた。